’90年代、ちょっとした額の借金を背負っていました(潑剌とした笑顔で)! そんな大した額じゃないんですが、月々の返済金額とバイトの月給がほぼ同額で、うっすら死にかける程度の地味にリアルな借金額! 今も何故生きているのかちょっと不思議! んで、生活に支障アリアリアリアリアリ程度の借金をなんでこさえたかっつうと、そう! 消費者金融でキャッシングして、結構いい席で女子プロレスを観まくっていたから(同情の余地ゼロ)! もし当時、親に借金の内訳を素直に伝えたが最後、ツームストンパイルドライバーを喰らって実家の畳に首がめり込んでたはず!

自転車操業キャッシングを延々繰り返しても観たいくらい、’90年代の女子プロレスは最高に魅力的! 1992年に始まる女子プロレス対抗戦ブームで、それまで男のプロレスしか観ていなかった男性プロレスファンが大挙して押し寄せ人気爆発。女子プロレスは百花繚乱の様相を呈し、美形レスラーと強さが売りのレスラーに人気が二極化する中、これといって色のない若手~中堅レスラー売り出しのために女子プロレス団体各社はある方策を打つわけ。それが「キャラクターレスラー」!



大方の場合本人の意志とは無関係なギミックを付けられ、なんなら得意技までそのキャラに寄せたものが与えられてしまう。やけくそ&無理のある設定こそが、いかがわしいものだけにビンビン反応する俺の心のチンピクメーターをレッドゾーンぶっちぎりにさせるのです。


(左)ヤンキーギミック付けられたての頃、長嶋美智子選手を出待ちして撮ってもらったポラロイド写真の現物。無理矢理ヤンキー漢字変換サインさせてすみませんです!
(右)紅夜叉と長嶋美智子のバリバリヤンキータッグのTシャツ。バリバリのレアアイテム。繊維もバリバリに貧弱な上、バリバリに他の洗濯物から色移りした色で染まっちゃってます!


ぬまっち(全日本女子プロレス)は、目立たない前座レスラーだった沼田三絵美がある日突然ブルーハワイ色の角刈りにさせられて黄色いヘルメットをかぶらされ、唐草模様のモンペタイツにミントグリーンのスコップを担いで登場する土木作業員ギミックに生まれ変わり、その途端俺の心をズキュンと射ぬきます。得意技が「ヘルメットをかぶったままの頭突き」とか、もうズルくてたまんない! 今の時代ならこのキャラを命じた時点で100%パワハラ認定されるやつですが、そもそも会社を経営する松永兄弟が選手権試合の勝敗を賭けの対象にしていたことでおなじみの全日本女子プロレスなんでもちろん常識は通用しません。まぁとっくに潰れてるし。


(左)ぬまっちのグッズはいいのがなかった(ていうか多分そもそもほぼ出てない)ので、俺がイラスト描いとくし! 試合前の煽りVTRでは対戦相手に対し、「お前ら(持ってるミントグリーンのスコップで)埋めちゃうよ!」とコミカルに挑発。画面の前の俺だけがうおおおおお!と握り拳作ってブチアガりました。
(右)FMWのキラー岩見も容赦ない会社命令により無理矢理原人化。顔面を深緑に塗ってギャーギャー言って、首に鎖つけて引きずり回され入場しててエクセレントの一言。裏面に記載された選手データ、「得意技:発狂ロケット、噛みつき」と書いてあって爆笑。普通に可愛い美形女子レスラーばかりで味気ない現代の女子プロレスに足りないものはズバリ言ってキラー岩見!


若かりし頃の俺がもっとも入れ込んだキャラレスラーといえば長嶋美智子。元々全女出身のベビーフェイスだったのに、LLPWで復帰数年後にはヤンキーギミックレスラー紅夜叉に弟子入りさせられ、地味な可愛い子が突如として髪を金髪に染めグレだす「デビューもの」キャラに! ヤンキーギミック変身初期はキャラ作りが不徹底でそこもたまらず、後楽園ホールでの試合後出待ちして俺が撮った長嶋さんのポラロイド写真に「無我死魔魅血孤、世露死苦」とヤンキー風サインをねだったところ、「世露死苦の世ってどういう字ですか? 私、ヤンキーじゃないもんで…」と困った感じのです・ます調で聞き返されてもう最高! そういうのを待ってました!!! 

程なくして紅とお揃いの特攻服を着てバリバリヤンキータッグを結成し、ヤンキーギミックも板につくにつれて素晴らしいヒールレスラーになっていくんですが、タッグ結成初期にスーパーJOCKEYの熱湯CMに出演したときに得意技を聞かれ、涼しい顔で「爪でひっかく」と答えていたのもなにそれ感あって俺的に100点。もう一度言います。得意技は「爪でひっかく」!!! 1995年に草加市スポーツ健康都市記念体育館で行われた紅夜叉との敗者特攻服脱ぎマッチ(!)を観に行ったときにはあまりに興奮しすぎ、最寄り駅からの路線バスを乗り間違えて見知らぬ団地のど真ん中に降り立って十数分間アタフタしたほどです(なんとか間に合った)。


Profile
1968年北海道留萌市生まれ。ニュー・ウェイヴ・バンド「ロマンポルシェ。」のボーカル、楽器、および説教担当。荻窪のラーメン屋「ひつじそば 人と羊」をこよなく愛する。



Text:Okite Porsche
Photos:Kanta Matsubayashi
Title Design:ZUMA

SERIES

「掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ」の記事一覧

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #09】思い返せば、俺の青春だった、みるくがかえってきた!

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #08】’90年代女子プロのキャラクターレスラー、もう好きで好きでたまんない!

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #07】猥雑でいかがわしい=最高! マーク・アーモンドへの愛が溢れすぎる

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #06】今月は私が目の周りに塗りたくっているギンギラギンなアレの話

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #05】着倒してこそ正義! セーラーズの「コレクター」ではない!

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #04】引退後も途切れることなく想ってる! 中牧昭二のTシャツにありったけの愛をこめて

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #03】リヴァプールの残虐王=CARCASS。世界中の気持ち悪い音楽好きの同志に幸あれ!

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #02】他人にはゴミのような価値でも駆られて買っている。それが「ディヴァイン」。

【掟ポルシェの尊すぎ!! 推し活メモリーズ #01】何故、俺がサンバイザーをかぶるようになったか。

こちらは会員限定の記事です。
続きを読むにはぜひ無料の
UOMO MEMBERSにご登録ください!

ログイン・新規登録はこちら