いかがわしいものだいスッキ!
やっぱり、こう、なんていうんでしょう!? 普通ってダメじゃない!? 心のチンピクメーターがまるでピクリともしねえもんとか、存在している意味がないというか、ねえ!? やっぱ推したくなるものってのはですよ、見た目からしてヌルヌルでテラテラ安っぽく光ってて、嚙むとちょっと体に毒が回るくらいで丁度いいの! チープでスリージーで猥雑でFILTHYで真面目な部分が一欠片もない! そんな物体がいたらもれなく好きになっちゃう!

ってことで、今回の推し活は直視を憚られるいかがわしい艶めか物体の代表格、1980年代の初期マーク・アーモンドでっす! もうこんなん、発見次第す~ぐファンクラブ入っちゃうもんね! ほら、俺ってすぐファンクラブ入りがちな人生を送ってきた人じゃない(知らんがなというご指摘、ごもっともです)? あやしさ極まりないものを見かけるとすぐキャンタマの根元付近がキュッとなり、熱狂爆発瞬時沸点到達する性分故、気がつくと日本に出来たばかりの公認FCであるGUTTER HEARTS JAPANに入会届をズザーッとスライディング提出。年賀状に半裸のマークの似顔絵をプリントゴッコで描きFC会報に送りつける等忙しくってしょうがなかったです。高校の授業中はマーク・アーモンドのいかがわしさを讃える文章を手紙に書き殴ってつつがなく消費&全国各地のペンフレンドに向けて切手代の続く限り速射砲的に送りつけたりで勉強する暇とかもちろん皆無。受験勉強どうすんのとか、眠たいこと言ってんじゃねえって話です。諸々の暗証番号4桁は自分ではなくマークの誕生日0709に設定。このくらいはファンとして常識。で、常識って何?


(上左)音符を手持ちしはしゃぐだけという、低予算な感じがガッツリいかがわしさに直結したミニアルバムのジャケ。電気GROOVEもアー写でこのジャケをカヴァー。
(上右)イギリスのファンクラブ限定で販売したマーク・アンド・ザ・マンバスのライブ盤LP。’80年代には7万円の値がついたマーク・アーモンド関連盤の中でもっともレアな部類に入るレコードも当然所有。
(下左)Tシャツは2000年にCDで再発された際にセットで売り出されたやつ。当然着倒してもんのすごいヨレヨレです。
(下右)’80年代にイギリスで出版されたソフトセルの自伝本的なもの。1986年に修学旅行で東京行った時CSV渋谷で購入。レア図版多数。


マーク・アーモンドはイギリスのエレポップユニット・ソフトセルのボーカリストとして1980年ヌルッとデビュー。1981年にマーク・ボランの彼女のグロリア・ジョーンズが歌った「Tainted Love(汚れなき愛)」をカヴァーし、イギリスを含む17カ国で1位を記録&じわじわ長期的に売れて1982年には全米HOT100チャートに43週もロングランで入り続けるという、日本で言えば「有線から火がついた」みたいな売れ方をしたことでおなじみ。その唱法は実にエモーショナルで鼻息荒く、感極まりすぎてすぐ半音上がるわ、気を抜くとすぐコブシ回すわで、イギリスど演歌の味わい。ムード歌謡的情念歌唱を猥雑な価値観に放り込む独自のスタイルは、俺のような歌をキンギョクの根元で聴くタイプの若者に熱狂的に愛されます。そう、マーク・アーモンドのファンにライトな者などいません。そのすべてが常軌を逸しまくるのです。


(左)日本のファンクラブ会報に送りつけた自作のイラスト。会員番号1番だった模様。気合が入りすぎて我ながら気持ち悪い。
(右)授業中、勉強していると見せかけてノートに描いているのはマーク・アーモンドの似顔絵。こんなことばかりしていましたが無事大学進学出来ました(思い切りFランの)。


若い頃のマークは気性の荒いゲイとして知られ、レコードを酷評した音楽誌を見かけるやフライデー事件のビートたけし先生よろしく編集部のドアを蹴破って一本鞭持って殴り込みに行くなど、もう大好きなポイントしかありません。あまりにマークのことが好きすぎて、自分がノンケなのにもかかわらず、将来は東京へ行って社会保険完備の観光バーに就職しようと、割と本気で考えてもいました。ただ、冷静になって考えるとオ●ンチンってしょっぱそうですし、ブロージョブは俺には無理だなと思い断念。そういうことじゃなかったみたい。


(右)1986年に延期になったマーク・アーモンド初来日コンサートのライブテープのカセットレーベルを自作。こういうの作ってると前頭葉から屁が出るくらいブチアガる。


1985年の初来日公演には北海道の実家から飛行機代かけて観に行って、盲腸を理由にキャンセルになっていたことを知らず中野サンプラザの前で「そりゃねえよ……」と仁王立ちで死んだりもしましたが、それもいい思い出。今でもマークの歌声を聴くと、自分の中の抗えない血が沸騰してレコードに合わせて歌詞も見ずソラで熱唱する自分がいるのです。


Profile
1968年北海道留萌市生まれ。ニュー・ウェイヴ・バンド「ロマンポルシェ。」のボーカル、楽器、および説教担当。荻窪のラーメン屋「ひつじそば 人と羊」をこよなく愛する。



Text:Okite Porsche
Photos:Kanta Matsubayashi
Title Design:ZUMA

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