突然の不幸で突きつけられた人生の意味
家族や友達の大切さを再確認する中年青春映画!

酒浸りの毎日を過ごしながらバーを経営するサルのもとに、ベトナム戦争で一緒だったドクがやってくる。数十年ぶりに再会した2人はそのまま飲み明かし、ドクの頼みで彼らは古い教会を訪れる。そこで日曜礼拝を行なっていた牧師は、同じくベトナム帰還兵のミューラーだった。その夜ミューラーの自宅で夕食を囲む中、ドクは最愛の妻を病気で亡くし、さらに2日前にイラク戦争に赴いていた一人息子が戦死したことを告げる。そして、彼は2人に、息子の遺体を一緒に引き取りに行ってほしいと頼み込む。

一人の仲間の身に起きた悲しい不幸をきっかけに集まった3人は、ベトナム戦争時に自らが起こした暗い過去を呼び起こす。彼らは過去と現在の2つの戦争の間に翻弄され、後悔や悲しみや後ろめたさを引きずりながらも、その中でかすかに残る楽しかった思い出により再び結びつけられた。あの頃から鈍くはなっているかもしれないけど、青春の輝きを改めて取り戻し始めるのだった。歳を重ねたから素直になれるし、意固地になることもある。ときにくだらない(しかも下品な)話で盛り上がり、ときにお互いの悩みを聞き、喧嘩もする。会わない時間は長くても、気の置けない友達ってこういうものじゃないかと、その羨ましい関係についニンマリしてしまう。

一見凸凹な3人だけど、そのキャラクターはお互いに心の隙間や弱い部分を補っている。誠実で愚直な後輩、ドクはスティーヴ・カレル(『フォックスキャッチャー』)。自分の気持ちに素直で飾らない、ユーモア溢れるサルはブライアン・クランストン(『ブレイキング・バッド』シリーズ)。そして、かつて「殴り屋のミューラー」と言われ女たらしだったミューラーはローレンス・フィッシュバーン(『マトリックス』シリーズ)が演じている。ハリウッド映画界を彩り支えている渋〜い名優たちが繰り広げるロード・ムービーというだけでも食いついてしまう。さまざまな苦難を乗り越える彼らの姿は、まさに今を一生懸命生きる中年や父親たちに元気を与えてくれる。そして迎える感動のラスト。みなさん、ハンカチを忘れずに。


『30年後の同窓会』

監督:リチャード・リンクレイター
出演:スティーヴ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーン
2018年6月8日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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映画『30年後の同窓会』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi