うっひゃああ~~、気ン持ち悪ぃ~~~(満面の笑顔で)!! 心の底から気色悪いものを欲すること、みんなもあるよネ! (触っただけで手が腐りそうなものを全力で握りしめたいという)強い気持ち、(なんかわけのわからないブヨブヨしていて汁が出ている腫れた物体への)強い愛! (吐き気をもよおす腐敗臭を嗅いでいたいという)心をギュッとつなぐ! そんなボクたちゲボグロヌチャドロ大好きキッズにとってマストなバンドといえば、そう! CARCASSです!!

単純にわかりやすくご説明しますと、イギリスのデスメタルバンド。グラインドコアの魁となったNAPALM DEATHのギターだったビル・スティアーが1985年(高1の時)に始めた、とてつもなく気持ちの悪いゾゾ毛ばり立ちメロディ&最悪な気持ちになれるジャケットのアートワークと医学用語満載の酷いタイトルと歌詞で、全世界の気持ち悪い音楽好きを魅了し続けるすごい人たちなの! 人呼んで「リヴァプールの残虐王」。半分体が腐った魔界のビートルズみたいな呼称は伊達ではございません。


デスメタルバンドのギタリストに膝枕してもらうという何考えてんだお前ショットをなんなく実現。「もうこの後死んでもいい笑顔」とはこれだ!


まず、1stアルバムのタイトルが“REEK OF PUTREFACTION(腐乱屍臭)”! これ、ジャケ載っけられますかね? せーの、ドン! はい、人間のパーツがバラバラんなって並べられてるように見えるかと思いますが、えーと、多分目の錯覚! 「これ、うちのじいちゃんだよ!」って人いたらメンゴです~! 内容は端的に言うと、「このジャケがそのまま音楽になりました」。潔いまでに死体や病理&乱雑な外科手術を歌った歌詞、ピッキングハーモニクスとアーミングを同時に行うことでキュワワワァンン!という巨大線虫の断末魔を表現したかのような惨死ギター、粗削りすぎておもいっきり瓦解しているバタバタドラム、下水道の配管を通して録音されたようなヘドロティックボーカル……それらをこの手の音楽に一切理解のないエンジニアが「あ~俺こんな仕事したくねえな、いっか適当で」と思いながら目をつぶってチャッチャカミックスしたかのような最悪にモッコモコの潰れた音質で録音。結果的に感動ではなく刺激を音楽に求める俺のような劣悪愛好者から絶大な支持を集めます。もうね、再生する度「聴いてやったぜ!」って気持ちになれるの。最高。


(左)リヴァプールの残虐スタイナー・ブラザーズ。こういった圧倒的にふざけたポージングの数々を嫌な顔ひとつせずやってくれるビルはいい人!
(右)マジな話、家にある衣服はCARCASSのTシャツかセーラーズのトレーナーかのどっちかです。


CARCASSは2nd以降、アルバムを出すごとに音楽性を変えてきた珍しいバンドなんですが、気持ちの悪いエクストリームメタルという基本線は崩さず、ハードロック的要素と薄気味悪さをバランスよく配合した音楽性は、強いオリジナリティを獲得していると言えます。年を経るごとに演奏に磨きがかかり、今ではスッキリクリアな恐怖音像を確立していて、「もう抱いて!」って感じ。

そして、このCARCASSの魅力と言えば、ギターのビル・スティアーのルックスの良さ! 自分はですね、何故か昔から「顔立ちのきれいな男性が最悪に気持ちの悪い音楽をやっている」というのが大好きでして、そういう意味でもこんなに俺向けのバンドはないっちゅうか。来日する度に俺がインタビューするようになり、酷い時にはビル・スティアーに膝枕までしてもらって記念撮影。あまりの馴れ馴れしさにボーカルのジェフから「お前すげえな! あのシャイなビルにあそこまでさせた奴いねーよ!」とビックリされたりしているのです。


(左)1stのジャケット。部屋の目立つところに置いとくと、もれなく親が心配してロールシャッハテストとかやらされると思うので注意。
(右)好きが高じすぎて昨年リリースされた「DESPICABLE」日本盤シングルのライナーノーツ書いてます! 2021年9月発売の新譜『TORN ARTERIES』も最高!


CARCASSのことになると俺冷静じゃないの一切。「好きが高じすぎておかしくなっている力」の高さでこれまでやってきた男です。養子縁組されたいほど好き! 好きなバンドのギタリストの雇用保険が自分にも適用されたい派! もう何言ってるかわからないかと思いますが俺自身何言ってるかわかってないから大丈夫です!



Profile
1968年北海道留萌市生まれ。ニュー・ウェイヴ・バンド「ロマンポルシェ。」のボーカル、楽器、および説教担当。荻窪のラーメン屋「ひつじそば 人と羊」をこよなく愛する。


Text:Okite Porsche
Photos:Kanta Matsubayashi
Title Design:ZUMA