2019.11.12

肌に直接触れる「腕時計」は毎日お手入れ! 月イチメンテも念入りに

「肌に直接、毎日つける時計こそケアの方法を知りたい!」というご要望にお応えし、時計ライターとして活躍する篠田哲生氏に指南を仰いだ。時計も毎日同じものをつけるよりも、何本かそろえてローテーションで使うのがおすすめだとか。基本の手入れ術と便利グッズを併せてチェック!

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メタルバンドの時計で基本の手入れ術をチェック!

30~40代に愛用者の多いメタルバンドの時計で基本の手入れ術を学ぶ。時計のケアで注意すべきは汗、水などの湿気と電子機器などの磁気。日々愛用する時計はトレーなどを用意して、磁気を放つ電子機器や家電製品から離れたところに保管するのがおすすめ。くれぐれもスマホやタブレットと一緒に置かないように!

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1 時計の置き場所を決め、横向きに置く 時計を傷つけないよう、指輪などアクセサリーを外してから時計を外す。時計はリュウズを上にして横向きに置く。ケースを上にして置くと安定せず、留め具の角が当たってケース裏に傷がついたりするので避けたい。
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2 時計を指にかけて持ち専用クロスを使う 時計磨きクロスを指に巻き、時計を指にかけて持つ。時計磨きクロスは買ったときについてくるものでOK。もちろん購入した専用クロスでもよし。
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3 ケースやベルト、時計全体をやさしく丁寧に拭く まずは風防ガラス、ベゼル、ケース表面を拭く。落とさないよう注意しながら、続いてケースの裏側、バンドも丁寧に拭く。皮脂汚れはサビの原因にもなるので、できれば毎日拭きたい。
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4 綿棒で細かい部分の汚れを取る 机の上にクロスを敷き、時計を置いて綿棒を使ってバンドの縁や溝、ケース裏面のくぼみなど、クロスで拭き取れない汚れを取る。綿棒は先が細くて尖っているフィギュア用の綿棒を推奨。1か月に1回くらいは綿棒を使って細部まできれいにしたい。


メタルバンドの防水時計を流水で洗うのはNG!

メタルバンドの防水時計は「汚れたら水洗いすればいい」という人もいるが、防水の気圧表示は海の中に静かに置いた状態が基準になっている。だから水圧の高い流水で洗うのはおすすめできない。またリュウズが緩んでいて水が入ってしまったという事故も多いので、今回伝授する方法で手入れするのが、安心安全だ。汚れが気になったら買った店の洗浄サービスを利用するのもおすすめ。


ワインディングマシーンを収納ケースにしてもOK

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自動巻きの時計の場合は、ワインディングマシーンを保管場所にするのもあり。こうすれば、つけるときに時計が止まっていることもなく日々快適!


レザーバンドの時計はできればローテーションしたい

フォーマルなシーンでドレスウォッチとしても活躍してくれるレザーバンドの時計。レザーバンドはできればローテーションで使うのが、長持ちさせる秘訣。時計がひとつしかないなら、替えバンドを用意して1か月おきに交換して使うとよし。

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1 時計はバンドを折って保管場所に置く レザーバンドは丸めずに、2つ折りにしてトレーなどに置く。トレーの中に指輪などアクセサリーを置くのはありだが、スマホなど電子機器は一緒に置いてはいけない。
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2 革バンドの裏を湿らせた布で拭く 肌に触れる革バンドの裏面は湿らせて硬く絞った布で拭き、皮脂汚れを落とす。写真のように磨きクロスを巻いた手で時計を持ち、もう一方の手の人差し指に湿らせた布を巻いて、指先でバンドの裏を拭いていく。
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3 ケースやバンド全体を専用クロスで拭く 時計磨きクロスを使ってケース、風防ガラス、ベゼルなどの表面、バンド、留め具と拭いていく。時計の裏面も忘れずにクロスで拭く。時計全体を拭くケアはできれば毎日するのが理想。
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4 ケース溝やリュウズの汚れを綿棒で取る バンドの付け根部分は汚れがたまりやすい場所。風防とベゼルの間、リュウズのギザギザした溝部分などは先がとがったフィギュア用の綿棒を使って、汚れを取っていく。


付け替え用レザーバンドを用意するのがおすすめ

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レザーバンドの時計は購入する際に付け替えバンドもいっしょに買って、ローテーションしながらつけるとベルトの寿命が延びる。購入する際、簡単に付け替えできるスライド式バンド[写真右:バネ棒がついている]を注文すれば、器具がなくても簡単に自分で交換可能。レザーバンドの裏面にアンチスエット(耐汗)素材を配したり、汗に強いシャークスキン(鮫革)[写真左]のベルトにすれば、通常の革バンドより長持ちする。銀座のジャン・ルソーのような時計バンド専門店で相談するとよし。


長期間使わないときは専用ケースに収納

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時計収納の専用ケースもサイズ、形状などいろいろ出ているので、長期間使わないときは専用ケースで保管したい。レザーバンドはバックルに通すことで傷んでいくので、専用ケースに保管するときはバックルを通さずに巻くこと。

Tetsuo Shinodaプロフィール画像
Tetsuo Shinoda
フリーライターとして活動しながら時計の専門学校に通って知識を深め、時計専門のライターとしてキャリアを積む。バーゼルワールドなど海外の取材も多く、UOMO本誌をはじめ様々なメンズファッション誌やメディアで活躍。

Photos:Ryo Kameda
Text:Hisami Kotakemori

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