今回の舞台となった岡山国際サーキットは、1994年と1995年にF1グランプリも開催されたことのあるコースです。また観客席とコースが近いことでも有名で、他のサーキットでは味わえないような迫力と臨場感を楽しめるサーキットとして、レースファンの間でも有名なサーキットです。そして、なんと言ってもUOMO SUNOCO TEAM LEMANSにとってはホームコースでもあるので、上位フィニッシュを飾りたい1戦でした。

7日の走行では太陽も顔を出していましたが、8日からは秋雨前線の影響で、あいにくの雨になってしまいました。ただ、このコンディションがチームには良い方向に働きました。

朝のフリー走行では、雨の量が多くスピンする車両も続出していましたが、その中で7号車のトム・ディルマン選手がトップタイムをマーク。「雨のコンディションとクルマがうまくマッチしている」とディルマン選手も自信を見せており、午後の予選ではポールポジション(予選1位)の期待も高まりました。

今シーズンは第2戦からの参戦となり、事前に練習する機会もないまま、ほぼぶっつけ本番のレースが続いていたディルマン選手。ここまで「トップを狙えるかもしれない」という手応えがあったのは初めてのことでした。ただ、それが逆に気負いすぎる原因にもなってしまったのです。

19台から14台に絞られる予選Q1。ディルマン選手は満を持してコースインしタイヤを温めながらタイムアタックに備えましたが、コース後半のヘアピンカーブが連続する場所でコースアウト。そのままタイヤバリヤにクラッシュしてしまいました。

幸いディルマン選手に怪我はありませんでしたが、マシンのフロント部分が壊れてしまい走行不能に。まさかの19番手で予選を終えることになってしまいました。

「ダブルヘアピンの2つ目の進入でタイヤをロックさせてしまった。そこはコースとタイヤバリアの距離が近いから、そのままクラッシュしてしまった。自分のミスだ。チームも素晴らしく良いクルマを用意してくれて、結果を出したかったけど、ミスをしてしまった自分自身に対してすごく悔しい」とディルマン選手。ただ、決勝レースでは絶対に挽回すると意気込んでいました。

一方、8号車の大嶋和也選手はQ1を突破し、Q2でも好タイムを記録しますが、僅差でQ3進出はならず、11番手となりました。

9日の決勝日は、当初からの予報どおり、朝から大雨に見舞われました。特に決勝レーススタートのタイミングにレースができないほど激しい雨になるという予報も出ており、急きょ決勝スタート時刻を変更。レースの周回数も68周から54周に変更され、天候状況に柔軟に対応できるようにしました。

それでも雨は予想以上に酷く、予定より1時間遅れてのスタートとなり、安全確保のためセーフティカー先導の状態でレースを進めることになりました。しかし雨脚は弱まることなく7周目に入ったところで赤旗が出され、天候回復を待って約55分もレース中断されました。

レース中止の心配もありましたが、幸いにも雨が弱まり16時10分に再開。11周終了時点でセーフティカーが解除されると、最後尾からディルマン選手が猛烈な追い上げを披露しました。

抜きにくいコースな上に雨で視界が悪く、順位を上げていくのが難しい状況でしたが、ディルマン選手は次々と前のマシンをオーバーテイク。数周のうちに6台を抜き、13番手まで浮上します。

それでも手を緩めることなく、積極的に前のマシンを抜いていき、22周目には12番手に上がりますが、その周の最終コーナーで前のマシンを抜こうとした際に接触してしまいスピン。マシンもダメージを負ってしまいリタイアとなってしまいました。

速さがあっただけに残念な結果になってしまいましたが、ディルマン選手は後悔している様子はなく、攻めた結果だと語りました。

「レースの周回数も短くなって短期決戦になると覚悟した。接触してしまったことは残念だったけど、守りのレースはしたくなかった。あのポジションから最低でもポイント圏内には行かなきゃいけないと思っていたから、それを目指して全力を尽くした。それをちゃんと走りで実行できたのは良かった。結果こそ残らなかったけど、後悔はない。これがレースだ」(ディルマン)

8号車の大嶋選手は序盤から10番手を走行しますが、なかなかペースが上がらず苦戦。さらにレース後半にはアクシデントに巻き込まれ16番手に後退してしまう、悔しいレースとなってしまいました。

「防戦一方のレースで、悔しい思いをする1戦でした。最終戦では今季最高の順位で終われるように、頑張ります」と大嶋選手。

今回は残念な結果になったUOMO SUNOCO TEAM LEMANSでしたが、雨のコンディションでライバルを圧倒する走りを披露し、確実に次回の第7戦鈴鹿につながるパフォーマンスをみせてくれました。

次回はいよいよ2018シーズンの最終戦。10月27・28日に鈴鹿サーキットで行われます。


全日本スーパーフォーミュラ選手権
第7戦 鈴鹿サーキット

予選/10月27日(土)
決勝/10月28日(日)

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Photos:Shigenobu Yoshida
Text:Tomohiro Yoshita