デザインを評する言葉に「一周回っていい」というのがある。今、20年前のクルマはまさしくそう見えて、再び評価を得ている。実用性もあって価格もこなれているから、狙わない理由はない。
NISSAN Skyline Coupe 350GT / 清野龍太さん(代官山 蔦屋書店 クルマ・バイク コンシェルジュ)
丸テールじゃなくとも輝く
V6 GTの静かな楽しみ
2003年に登場したスカイライン クーペは、日産が北米市場を意識したモデルだった。47歳になるオーナーの清野さんは、当時の印象をこう話す。
「4連の丸目テールランプがなくなって賛否も大きく、僕もなんだこれと思った記憶が。でも20年たつと、この時代にしかないよさもあったんだなと」
縁あって譲り受けたのは、知人の父が新車から乗ってきた一台だった。
「ランチア・デルタの次に乗るクルマを悩んでいたところに不意打ちでした(笑)」
走りの魅力を尋ねると、表情が緩む。
「どっしりと落ち着いていて気持ちいい。V6自然吸気の吹き方も素直で、セミオートマも意外と楽しい。GTってこういうことかと腑に落ちました。思いのほか長い付き合いになるかもしれません」
北米を意識したV35型の顔は、伝統から一歩離れたのびやかな造形。鋭さよりも滑らかさを重視した表情は、いま見ると時代の空気をまとった独自の魅力がある。
シートは本革と人工スエードのコンビで、スポーティすぎない雰囲気。ゆったりと身体を預けられるシートと視界の広さもポイントだ。