UOMO世代にとってクルマは、自分を表現するもののひとつ。もちろん年齢的に、家族のことを第一に考えてクルマを選ぶ場合がほとんどだろうが、それでも車種、年式、ボディカラーなどなど、こだわりを反映できる部分はたくさんある。
そしてもちろん、クルマは単に移動するための手段ではない。週末は海や山へと出かける部屋になり、音楽と戯れるライブ空間にもなり、仕事の考えをまとめるオフィスにもなりうる。つまりクルマとは、自分の意思でどのように使うかを決めることができる移動空間と考えることができるのだ。
しかしクルマを取り巻く環境は、大きく変化している。デジタル化が進み、人とクルマをソフトウェアがつなぐ時代になると、移動するという意味自体が変化していくことも考えられる。“モビリティ”という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは「移動性」「可動性」を意味し、人やモノの「移動」を支える乗り物、技術、サービス全般をさす概念。自動運転や電動化、IT化は次なるモビリティの核となる技術である。
ではこうした技術を駆使した次世代のモビリティは、我々の生活をどのように変えていくのだろうか。これからのLEXUSを知れば、未来のモビリティとそこから生まれるライフスタイルが見えてくるかもしれない。
LEXUS(レクサス)がトヨタ自動車から誕生したのは1989年。ブランド創業以来、高級車の概念を革新し、日本発信のラグジュアリーカーブランドのパイオニアとして、常に新しい価値観に挑戦してきた。そんなLEXUSが、更なる進化を遂げることになる。急速な電動化と価値観の多様化も、大きな要因となった。LEXUSはこれまで以上にパイオニアとしての立ち位置を強め、より自由に「ラグジュアリーとは何か」を探求していくというのだ。
その思いを具現化したのが、昨年のジャパンモビリティショーで発表された「LEXUS LS Concept」だ。このクルマを見れば、これまでとは全く異なる目線から生まれたモビリティであることがわかる。
そもそもLEXUSにおいてLSシリーズは、フラッグシップのラグジュアリーセダン(Luxury Sedan)であった。しかし新しい「LEXUS LS Concept」は、LS=Luxury Spaceと再定義し、後席でリラックスして乗る高級車=ショーファー・ドリブン(オーナーが後ろに乗り、専属の運転手が運転するクルマ)として、これまでにないラグジュアリーな移動空間を提案する。
フロントを2輪+リアを4輪の6輪を採用することで、3列シートでありながら居住スペースにこだわったショーファーカー。随所にLEDを配置し、フロントのスピンドルデザインも鮮やかに輝く。
コクピットは、センターコンソールのないシームレスな空間に。前方の様子と、各種インフォテイメントを映し出す2つのモニターに、操縦桿のようなヨーク型ハンドルが未来の乗り物であることを示す。
目を引く6輪タイヤは奇をてらったわけでもなく、ショーファー・ドリブンとしてあるべき室内空間・使い方を検討した結果生み出されたもの。リアタイヤを小さくすることで、室内への張り出しを最小限に抑え、車内空間の最大化を可能にするのだ。
2列目のシートは回転させることで、車内で打合せもできるようになった。シートには天童木工による曲げ木の技術を使い、窓のブラインドにはサステナブルな竹、そしてトレーには漆塗り職人の手による仕上げが施されるなど、LEXUSが大切にしてきた和の美学がふんだんに取り入れられる。つまり「LEXUS LS Concept」は、自分の好きが詰まった空間を、そのまま移動させるということなのだ。
これまでの高級車セグメントは、あくまでもクルマの枠組みの中で、優れた動力性能やデザイン、内装空間の豪華さを競ってきた。しかし「LS Concept」は、移動すること自体をラグジュアリーな経験と結びつけようとしている。つまりこれからのラグジュアリーカーは、クルマとは異なるモビリティの目線で考えなければいけない……。LEXUSはそう考えている。
ではこれからのLEXUSが生み出していく新しいモビリティは、我々のライフスタイルにどんな変化を与えてくれるのだろうか?
誰の真似でもなく冒険的、革新的に前進するLEXUSの姿勢を表すのが、「Discover」というブランドビジョンであり、世界最大のデザインイベント「ミラノ デザイン ウィーク(MDW)」で、その答えのひとつが明らかになる。
LEXUSは創業以来、従来のラグジュアリーカーの枠にとらわれることなく、新たな価値を生み出してきた。そして誰の真似もしない挑戦心の表れとして、LEXUSでは過去20年にわたってMDWに参加し、ブランドビジョンをアート的に表現するインスタレーションで新しい価値観を提示し、話題を集めてきた。
そして今年は新しい移動体験を2つのインスタレーションで提案。ひとつは「LS Concept」を用い、陸海空へと広がるLEXUSのモビリティの世界を表現するというもの。さらに、LEXUS DESIGN AWARDをあらため、昨年から始まった「Discover Together」では国内外4組のクリエイターチームが「LS Concept」の広い居住スペースを使って新しい価値と出会う空間を作り上げるという。
さらに新しいLEXUSは、モビリティの枠をクルマだけにとどめないという。例えば水上での移動に新しい自由やプライバシーをもたらす、海のモビリティコンセプト「LEXUS Catamaran Concept」や、渋滞に煩わされることなく素早く簡単に目的地へとアクセスできる次世代の空のモビリティ「Joby」など、多彩なモビリティへとブランドの幅を広げていくことも目標となる。LEXUSではこれを「360度のモビリティ」と呼んでおり、新しいモビリティでラグジュアリーなライフスタイルを創出することを目指すという。
誰も経験したことのないラグジュアリーの領域に踏み出し、これまでの延長線上のプロダクトではなく、未来を見据え、新しい基準でモビリティを発想するのだ。
「LEXUS Catamaran Concept」は、2つの細長い船体を甲板で平行につなぐ双胴船(カタマラン)の構造を生かした広い居住スペースだけでなく、乗り降りの際も周囲からの視線が気にならず、プライバシーに守られた状態で目的地へと移動できるようになる。
「Joby」は、トヨタが協業する米国のJoby Aviation社が開発する空飛ぶクルマ。デモ飛行などの実証実験を進めており、LEXUSのフィールドを大きく広げる役割を担う。
はじめてクルマを運転したときの感動を、今でも覚えているだろうか。フロントガラス越しに見える景色は、見慣れたはずなのにどこか違って見えた。やがて愛する人を乗せてどこかに出かけ、友と語りあい、時に泣いて喜んで……。喜怒哀楽の全ての感情が、クルマに染みつき、思い出となり、かけがえのないものとなる。
LEXUSが作り出すこれからのモビリティは、我々にどんな体験を与えてくれるのだろうか? これまでにない感動に出会える日を楽しみにしたい。