遠くへ行きたくなる車｜ホンダプレリュード【自動車ニュースタンダード研究所】

HONDA PRELUDE

遠くへ行きたくなる車

西坂　25年ぶりに復活した、ホンダ・プレリュードが話題ですね。2ドアクーペが明らかにトレンドではない時代に、復活させるのは勇気がいることだったと思います。

神保　DRIVETHRU®のテストカーで3代目がありますが、バブル期を彷彿とさせる印象が強い一方で、革新的な点が多いのも魅力です。新型は時代も価値観も変わって、グランドツアラーと呼ぶべきでしょうか。そのせいか、標準のドライブモードが「NORMAL」ではなく「GT（＝グランドツーリング）」となっていて、ロングドライブが当たり前になっている感じがあります。

西坂　キビキビするというより安楽でした。シャシーを共有するシビック TYPE Rは、足も硬めでわりと音も大きいですが、プレリュードはノイズが少なく乗り味もゆったりとして滑らか。当然ながらまったく別物です。

神保　野暮ったそうな「COMFORT」モードが、抑え込まれた感じはせず結構好みです。パドルシフトでは回生ブレーキの程度を調整できて、ほぼワンペダルになるのもいいですね。ただブレーキランプが減速時につくのが難点。高速で頻繁につくと周囲が警戒しそう。

西坂　一方で「S+ Shift」を選ぶと、途端に迫力ある排気音が聞こえてきて、パドルで減速時には「ブォン！」とブリッピングまでしてくれるのがうれしくなりました。

神保　初めはEVで出ればよかったのにと思っていたけど、ハイブリッドの特性を生かした二面性はいいですね。ただ、デザインもテクノロジーも、もう少し攻めの姿勢が欲しかったです。考え抜かれていることは理解できますが、ひと目でニュー・プレリュードとわかる存在感がいまひとつ足りない気がします。

西坂　先日の「ジャパンモビリティショー」でコンセプトカーが展示されましたが、ホンダは将来的に「0シリーズ」という、人工知能や自動運転技術、先進運転支援システムを搭載したEVシリーズ戦略を考えています。

神保　プレリュードはホンダの未来を予告する車であるはずなので、新時代の幕開けを担う存在に育ってくれたらよいですね。