2025.09.19
最終更新日:2025.09.19

ミニは小さくても偉大|MINI COOPER 3 DOOR C【新連載|自動車ニュースタンダード研究所】

大人になったUOMO世代の車選びは、何かと条件や制約があって難しい。しかも、今は車の常識が大きく変わろうとしている真っただ中にある。はたして、これからの未来を担う車のニュースタンダードとは何なのか。デザインや技術、文化的側面から解き明かす新しい車連載がスタートする!

MINI COOPER 3 DOOR C

MINI COOPER 3 DOOR C

ミニは小さくても偉大

西坂 記念すべき1回目は、最新のミニがやってきました。初代ミニの登場は1959年。天才エンジニア、アレック・イシゴニスによるエポックメイキングな車でしたが、なぜこの車を選んだのでしょう。

神保 ミニはいつの時代もコンパクトかつファッショナブルで、運転が楽しい車です。2001年からはBMWミニになったけど、今なお英国の雰囲気があるのがいい。けっしてメイドインジャパンからは得られないエッセンスがあるというのは、ポイントですね。

西坂 かつてビートルズやマリー・クワントもミニに乗っていました。小さな国民車なのに合理的かつポップで貧しさがない。今のミニもいばって見られることはないわけで、大人が乗るうえでそこは大事な点ですよね。

神保 もちろんクラシックのほうがキャラは立つけど、現代の交通事情では不安も多いし、どうしても頑張って乗っている感が否めない。

西坂 現行からはEVも加わりました。どちらも脈々と受け継がれるゴーカートフィールは健在で、キビキビとしていて楽しい。

神保 ミニのような歴史ある車がスタンダードであり続けるには、EV化をはじめ先進技術と共存することが重要です。

西坂 なるほど。その点はどうでした?

神保 アクティブ・クルーズ・コントロールがよかったです。今や当然の装備ですが、違和感なく普段のドライブに馴染むかが大事。運転支援技術が使いやすいと車での移動がおっくうにならない。ミニはワンタッチで切り替えられて、車速はダイヤル調整。シンプルなインターフェイスこそがこれからは不可欠でしょうね。

西坂 それは大事なことですね。

神保 ミニは進化するにつれ、ますますフットワークが軽くなるファンドライブな車。大きくなったといっても小ぶりだし、駐車場も選ばず、浮くこともないから「車で出かけよう」という気になる。私が乗るなら3ドアを選ぶけど、ニュースタンダードに進化した現代のミニなら、どれかぴったりハマる一台が見つかるのではないでしょうか。

サステナブル素材を用いた車内

サステナブル素材を用いた車内。中央には有機ELディスプレイが備わる。「複数の走行モードがポップに表示されてユニーク。夜も明るすぎるのがネックだけど、発想が面白くしゃれてます」(神保)。

八角形のグリルと愛らしいマスク

八角形のグリルと愛らしいマスクは、先代と比べていっそう無駄が省かれ、フレンドリーかつ近未来的な顔立ちになった。

【Spec】

・全長×全幅×全高:3875mm×1745mm×1455mm

・ホイールベース:2495mm

・エンジン×ミッション:直列3気筒DOHC×7速DCT

・燃費(JC08モード):18.2km/h

・定員乗車人数:4名

・運転支援技術:アクティブ・クルーズ・コントロール、ステアリング&レーン・コントロール・アシストなど

・車両本体価格:¥3,990,000(オプション別)

・備考:ボディカラーは10色展開(COOPER Cの場合)。3ドアのほかにコンバーチブルと5ドア、カントリーマン(SUV)もラインナップ。

神保匠吾

オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU®」ディレクター。初代BMW3シリーズのEV化や、移動式充電機《モバイル SS》を考案し活動中。「2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー」選考委員。

西坂和浩

「UOMO」編集部員。車、時計、ファッションを中心に担当する。愛車は1970年式のアルファ ロメオ・ジュリア GT1300Jr.のほか、トヨタ86の競技車も所有し、ダートトライアルに本格参戦中。

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