2026.01.28
最終更新日:2026.01.28

そろそろ911が似合う年頃ではないか。|ポルシェ 911 カレラ T【自動車ニュースタンダード研究所】

思いきった車選びは難しいけれど、いい大人には培ってきた尺度と感性がある。個性ある新定番の車を、自分ごととしてぜひ考えてみてほしい。

PORSCHE 911 Carrera T

PORSCHE 911 Carrera T

そろそろ911が似合う年頃ではないか。

 ポルシェ 911は、何物にも代え難い孤高の存在。高い運動性能に実用性を兼ね備えたドリームカーだ。新旧のポルシェに触れ、見つめてきた神保匠吾が、最新の911に乗ってあらためて感じたことは。

 ポルシェ 911は美しい車です。アイコニックなデザインもさることながら、歴史や走りを体感してみれば、多くの先人たちが虜になったのもうなずけます。「いったい何がそんなに違うのか?」「スピードが速いからよいのか?」…スポーツカーですから、速いのはもっともですが、案外そこではなかったりするのが911の面白いところです。もちろん本気を出せば、加速も最高速も信じられないほどの領域に到達し、世界屈指のブレーキ性能を備えています。

 今回、ニュースタンダードな研究材料として、最新のポルシェ 911の中でも「カレラ T」という6速マニュアルトランスミッションを搭載した、限りなくプリミティブな一台を検証しました。通常、ほとんどのポルシェはオートマティック(PDK)のおかげで、その圧倒的な性能を誰もが日常的に扱えます。一方、マニュアルの「カレラ T」に乗ると、高性能を味わう以前にまず時間の流れが変わる瞬間にハッとしてしまいます。例えば、時速60キロでただ流しているだけでも、車を操る感覚が、いつもとはまるで違う。今までのドライブがなんだったのかと思うようになります。やはり911は、ポルシェの中でもジャーマンプロダクトとしての完成度とその濃度の高さが際立っていることが明確にわかる一台であり、最たる魅力は、少し乗るだけでもマインドリセットできることに尽きる気がします。

 そんなポルシェには「最新が最良」という有名な言葉があります。確かに技術は常に進化し、最新モデルは明らかに素晴らしい。一方で、初代から60年以上も続くシルエットと、リアにエンジンを搭載したレイアウトを頑なに守り続けてもいます。進化しながらもけっしてブレない設計思想こそが、911という車の美しさとして宿っています。カレラ Tの極めてシンプルなマニュアル操作は、その本質に近い場所へと私たちを連れていってくれます。いつかは…と思う人は、そろそろ911と真剣に向き合ってもいい頃ではないでしょうか。

ヘッドライトの中にウインカーが内蔵

ヘッドライトの中にウインカーが内蔵され、従来の911よりもミニマムなデザインが際立っている。

マニュアルのシフトレバーにクラシカルなウォルナットを使用

マニュアルのシフトレバーにクラシカルなウォルナットを使用。手触りがとてもよい。

ブルーが基調となったチェックファブリックのスポーツシート

ブルーが基調となったチェックファブリックのスポーツシート。ヘッドレストには911の刺繡が入る。

【Spec】

全長×全幅×全高:4545mm × 1850mm × 1290mm

ホイールベース:2450mm

排気量:2981cm³

最高出力:290kW(394PS)

最高速度:295km/h

定員乗車人数:2人(オプションで4人可)

運転支援技術:レーン キーピング アシストウォーン及びブレーキ アシストほか

車両本体価格:¥20,600,000(オプション別)

備考:純正カラーのほかにも、通称“PTS”こと「ペイント トゥ サンプル」というオプションとして希望色にペイントも可能。

神保匠吾

「DRIVETHRU®」ディレクター。BMWのコンバートEVや、移動式充電機《モバイル SS》を考案し活動中。「2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー」選考委員。

Instagram:@shogojimbo @drivethru.jp

西坂和浩

「UOMO」編集部員。車、時計、ファッションを中心に担当する。愛車は1970年式のアルファ ロメオ・ジュリア GT1300Jr.のほか、トヨタ86の競技車も所有し、ダートトライアルに本格参戦中。

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