RIVIAN R3
リヴィアンは世界の
EVブランドになれるのか?
急速なEVシフトが世界中で始まったかと思いきや、ここ最近はその傾向に陰りが見えてきた報道が目立つような…しかし巷のニュースや情報をなんでも鵜呑みにしてばかりではいけません。この連載では、来るべき未来のモビリティ像を見失わないためにもEVの可能性について、引き続き追求していきましょう。
今回のテーマは、カリフォルニア発のEVスタートアップとして注目の「RIVIAN(リヴィアン)」。スタートアップというと聞こえはいいですが、まだ市場に存在しないものを提案しているわけなので、ビジネスは常に存続の危機と隣り合わせ。そんな中でも志の高いチームが集まってつくり上げたプロダクトは、既成概念を覆すポテンシャルを秘めています。
リヴィアンは全米のEV市場にいち早くピックアップトラックを投入し、かのテスラ・サイバートラックよりもデリバリーは随分と早かった。さらに経営難を回避するべく、出資元であるアマゾンから配送トラックを大量受注するなど、地に足のついた戦略もきちんと打ち立てている。
アウトドアに特化した車両ラインナップということもあって「EV界のパタゴニア」ともいわれるリヴィアン。縦長なヘッドライトがアイコニックな顔立ちを演出。大柄なSUVやピックアップだけでは日本市場には不向きですが、今春に突如として発表されたミッドサイズの「R3」を見ると、日本や欧米市場でも大いに頭角を現せるように思えます。ブランドがワールドワイドに成功し、いつか日本で乗れる日が来ることを期待しましょう。
アマゾンの配送用トラックとして専用開発されたコマーシャルバン。10万台ものオーダーを受注したようだが、納車は遅れ気味。写真はラスベガスの住宅街で配送中の様子。
ボディ外板を素材別に色分けしたモックアップ。多様なスチールを使った仕上げは、ステンレスのテスラ・サイバートラックとは対照的。
リヴィアンのプロダクションモデル第2弾として全米に投入された「R1S」。現地のイベントではすでにカスタムされた個体を発見。トレーラーの上には電動バイクのCakeを載せてトーイング。
テスラほどではないにせよ、LAの雰囲気のよい街角で必ず見かけるリヴィアン。すでにローカルな雰囲気を放ち、馴染んでいる。
1982年福岡県生まれ。オンラインモーターマガジン「DRIVETHRU」ディレクター。学生時代に乗っていたBMW初代3シリーズ(E21)を電動化し、EVライフを実践中。詳しくはhttps://drivethru.jp