“ニュアンスのある堅さ”をテーマに、ヘアスタイリストKENSHINが往年の香港スターのスタイルを現代のドレスヘアに落とし込む。
“清潔感のある寝グセ”を思わせる無造作ヘア

スーツやドレスシャツなどの紳士服は、それ自体が社会性というコードを内包していますよね。それを崩さない程度に少しの遊び心や色気を加えることが個性につながるのかなと。髪型も同じ。このヘアは、上品さはありつつもアンパーフェクトなラフさを表現しました。クセ毛の人におすすめです。短い襟足や耳が見えるくらいのカットラインはキープ。クセは押さえつけずにあえて遊ばせ、シルエットを決めつけないのがポイント。スタイリング力のあるジェルでツヤと束感を出し、手ぐしで左右に髪をかき上げながら動かしランダムな毛流れをセット。一束ほど前髪を垂らして色気と抜け感を。
セット力の強いジェル

今回使用したのは、ドン・キホーテのオリジナルジェル。ドライヤーをかけない状態でジェルを濡れた髪に馴染ませて。なでつけるのではなく、空気を含ませるようなイメージで使うのがポイント。
真面目さのある直毛はアシンメトリーでハズす

一つ目のスタイルが「アクティブ」だとするとこちらは「パッシブ」。どちらもカットラインは同様で前髪もアップに。ただ直毛は質感でニュアンスをつくりたい。今、スタイリング力はあえて抑えめで質感だけを調整するプロダクトが多いので、それに頼って。海外の人のパサつきのない、絶妙なしっとり感のある髪質をイメージ。直毛だけどサラサラしすぎないまとまり感をワックスで出したら、左右のバランスをアシンメトリーにして少しの遊び心を。片方は耳にかけて、もう片方はそのままに。真面目さと力の抜けたムードが共存したスタイルで、清潔感の中に細やかな個性を光らせます。
質感をつくるワックス

KENSHINさんが「理想の質感が出せる」というワックス。清潔感のある色気にパサつきは不要。ベタつきすぎず、生まれながらのツヤと束感が出る。乾いた状態で使用。髪が細い人は1がおすすめ。
雑誌や広告をはじめ、常に第一線で活躍するヘアスタイリスト。主宰するサロン「Epo Labo」ではビューティプロダクトの開発も行う。