【THE NORTH FACE 「ヌプシジャケット」30周年】 東京の「ヌプシスト」たち
1992年に誕生して以来、ザ・ノース・フェイスを象徴するアウターウェアとしてアウトドアやストリートで絶大な支持を得てきた「ヌプシジャケット」が今年で30周年! 節目を記念して、さまざまなフィールドで活躍するクリエイターに、最新モデルを着て熱い“ヌプシ観”を語ってもらった。
No.1藤井隆行
ノンネイティブ デザイナー
時代が変わっても残っていく
名品というのは、こういうもの

強度と軽さを兼ね備えたリップストップ生地の中にリサイクルダウンを備えた最新のヌプシ。10代のとき以来、久しぶりに着るという藤井さんは、「昔は黒だったけど、今ならこういう派手なのもありかな」とカモフラ柄の「ノベルティーヌプシジャケット」をチョイス。普段から茶系やカーキなど自然に映える色を好む藤井さんだけにすっと馴染む。
ダウンジャケット¥39,600/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物
僕が29年前に着ていたヌプシと比べて
素材もシルエットも進化してる




ヌプシを初めて手にしたのは29年前、高校2年の頃。雑誌で藤原ヒロシさんとNIGO®さんが着ていたのを見て欲しいと思い、地元の奈良には売っていなかったので予備校の講習で東京を訪れたときに原宿のプロペラで買いました。僕自身アウトドアブランドに強く惹かれ始めていた頃でもあったので、海外の本格的なアウトドアプロダクトをたくさん見られるのが東京に行く楽しみだったのですが、ザ・ノース・フェイスには当時からほかにはないストリートとの親和性を感じていました。ヌプシと出会い、その後’96年に初めてNYに行ったときに街中でヌプシを着ている人たちを見てよりそのイメージが強くなりました。
ヌプシの特徴は、何と言ってもこのツートーン。元をたどればザックやハーネスで擦れないように胸元を強度の高い素材で切り替えた必然性のあるデザインですが、それがロゴの入り方も含めてすごく都会的に落とし込まれていて、例えばリーバイスの501にも通じる普遍的なアイコンになっている。しかし僕が29年前に着ていたヌプシと比べて、ずいぶん素材もシルエットも進化したなあと。昔はもっと硬くて重くて、ダウンの羽根もよく抜けていたので(笑)。でもデザインはそのまま。そこがヌプシのよさですよね。実は去年の冬からうちの娘がくしくも僕と同じ年齢でヌプシを着るようになったのですが、機能はアップデートされているのにずっと手に取りやすい価格をキープしている点も、今の若者に支持されている理由なのだと思います。時代が巡ってもずっと残っていく名品とはこういうものなのかと。30年と言わず、もう一世代くらい超えて続いていくんじゃないでしょうか。
Takayuki Fujii
1976年奈良県生まれ。武蔵野美術大学・空間演出デザイン学部を中退後、セレクトショップで経験を積み、2001年より「ノンネイティブ」デザイナーに就任。以来、独創的で洗練されたモノづくりを展開し、ブランドの世界観を確立している。
No.2上杉柊平
俳優
自分と同い年のヌプシは、
どんなアウターよりしっくりくる

無染色リサイクルダウンを用いた真っ白の「アンダイドヌプシジャケット」は、「羽根を透かして柄っぽく見せているのかな? そんなところも素敵です」。
ダウンジャケット¥40,700/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) シャツ¥98,120/クリスタセヤ(ビオトープ) カットソー¥8,580/ドレス(にしのや) デニムパンツ¥15,400/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン) シューズ¥44,000/グイド(ハイブリッジ インターナショナル) ソックス/私物
カルチャー的な背景と環境への配慮。
その両方に惹かれている
中3の頃に古着で買って以来、ずっと愛用しています。学生の頃は黄色や紫のヌプシをオーバーサイズで、ラフなデニムやスウェットに合わせてストリートっぽく着てました。最近は黒やこの白のように、よりシンプルなものをシャツに合わせるのもイイなと思うようになりました。 ヌプシは1992年生まれの30歳、実は僕と同い年なんですよね。だからというわけではないですけど、どんなアウターより着ていてしっくりきます。「ザ・ノース・フェイスのヌプシを着ていればOK」。そう思うようになったのはやっぱりNYのラッパーたちが成功の証しとして着ていたカルチャーの影響も大きいですね。一方で近年は大人になるにつれて違うよさもわかってきました。リサイクル素材など自然と密につながったブランドだからこその環境への配慮もカッコイイなと思っています。
Shuhei Uesugi
1992年東京都生まれ。2015年にドラマ「ホテルコンシェルジュ」で俳優デビュー。以来ドラマや映画で活躍。ヒップホップクルーKANDYTOWNのHOLLY Qとして音楽活動も展開。
No.3STUTS
トラックメイカー
さっとはおって、音を聴きながら
冬の街を歩きたくなりますね

渋いツートーンブラウンのヌプシジャケットをさらりとまとい、リラックスしながらスタジオも兼ねた自宅の近所をふらふらと散歩する。「マウンテンパーカも茶色やカーキが好きでよく着ているので、こういう色味がやっぱり落ち着きます」。
ダウンジャケット¥37,400/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物



培われてきた“音楽とのいい関係”。
それが都会で着たくなる理由
モコモコした形が自分には合わないのかなと思って、ダウンジャケットはこれまでほとんど着たことがなかったんです。冬はもっぱらアウトドアブランドのマウンテンパーカで、ザ・ノース・フェイスのものもよく着ていました。でも今回ヌプシジャケットに初めて袖を通してみて、暖かいのにすごく軽くていいなって。もちろんその存在は、ヒップホップのカルチャーとのつながりが深いのでよく知っていましたし、好きなアーティストがジャケ写やPVなどで着ている姿を昔からよく目にしていました。こうして実際に着てみると、NYやシカゴ、デトロイトのようなアメリカ東海岸・中部の大都会の肌を刺すような寒さの中でヌプシをはおり、ヘッドホンからはラップが流れて…みたいな情景がすごく浮かびます。
STUTS
1989年愛知県生まれ。2013年にNY・ハーレム地区の路上で行ったMPCライブが話題となり、現在ではさまざまなアーティストのトラック制作やリミックスを担当。10月12日に3rdアルバム『Orbit』をリリース。
No.4尾崎雄飛
サンカッケー デザイナー
思い出のブルーのヌプシ。
今でもデニムに合わせたくなる

「ラピスブルー」は、尾崎さんも当時から着ていたように’90年代に大人気を博したヌプシの代表的カラーの一つ。ブルーデニムやパープルのストライプニットとの計算されたスタイリングはさすがの一言。
ダウンジャケット¥37,400/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物
王道だからこそ時代に合わせて
スタイリングするワクワク感がある
このブルーはまさに’94年頃にヌプシにハマっていた頃の思い出のカラー。久しぶりに着てもやはり気持ちいいですね。今の気分としてはスラックスに合わせるのもいいなと思いつつ、つい’90年代のリーバイスの古着デニムで。それでいて同年代のエルメスのスニーカーやサンカッケー×レマメイヤーの上質なアルパカニットで今の自分なりに大人らしさを意識しました。僕はザ・ノース・フェイスの「NEVER STOP EXPLORING/探究心を忘れるな」のスローガンが大好きで、普段からテントや海外出張用のトロリーも愛用していますが、ヌプシも昔から変わっていなそうで実は素材やフィットなど機能性が絶え間なく進化しています。ベーシックでありながら常に一歩先を進んでいる、だから30年たっても変わらずこうして着たくなるんでしょうね。
Yuhi Ozaki
1980年愛知県生まれ。セレクトショップのバイヤーを経て2007年にカットソーブランド「フィルメランジェ」を立ち上げる。’12年から自身のブランド「サンカッケー」を手がける。
今着たいヌプシは何色だ!?
象徴的な黄×黒の
ツートーンのベストが新鮮

松川 聡/スタイリスト
「より高機能の『ヒマラヤンパーカ』を冬ロケで愛用している」という松川さんは、街用として象徴的なツートーンのヌプシベストを。
ダウンベスト¥29,700/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物
アトリエ作業のときにも着たい、
ベーシックな黒ヌプシ

増井岳人/彫刻家
増井さんは最もシックな黒のヌプシジャケットが気分。「サイズ感が昔と比べてモダンになっているのでより着やすいですね」。
ダウンジャケット¥37,400/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物
人生初ヌプシは柄で攻めつつ、
軽快に着られるベストを

髙橋義明/モデル
今季のラインナップで最もインパクトのあるアイスダイ柄の「ノベルティーヌプシベスト」。薄色デニムで髙橋さんらしい味な装いに。
ダウンベスト¥31,900/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター) その他/私物
カスタマイズして
自分だけの“マイ・ヌプシ”も作りたい

髙橋 30周年ということは僕が3歳の頃にヌプシは生まれたわけですね。
増井 僕は高校生の頃に赤×黒のツートーンを着ていました。
松川 ヒップホップカルチャーとのつながりも相まって’90年代はみんな着てましたね。ザ・ノース・フェイスのダウン=ヌプシというイメージでした。
髙橋 僕は世代的に兄が着ていたのを見て、あまのじゃくだったので避けていたクチです。でも正直、憧れていました(笑)。今日が人生初ヌプシです。
増井 ヌプシの丈の短いボックス型って、着こなすのが難しいように思えて意外に今の気分とマッチしますよね。
髙橋 このアイスダイ柄のベスト、“攻めのノース”という感じで好きです。
松川 それでバイク乗ってそう。デニムとの合わせもいいね。僕もベストで、クラシックな黄色×黒が着たい。
髙橋 オンラインや店舗で好きな色にカスタムできるのか(※カスタマイズサービス「141 CUSTOM」)。
増井 僕はロゴまで同色にしたい。オール黒もいいし、真っ赤もカッコイイ。
松川 知名度のあるアイテムだけに人とかぶらないカラーは魅力です。
髙橋 バイクの色に合わせて赤×黄色、ジップをグリーンにしてみたいですね。
ゴールドウイン カスタマーサービスセンター
TEL:0120-307-560
【Takayuki Fujii】
Photos:Go Tanabe
【Shuhei Uesugi】
Photo:Go Tanabe
Hair&Make-up:Kazuma Kimura
Stylist:Takeshi Toyoshima
Interview:Sayako Ono
【STUTS】
Photos:Naoya Matsumoto
【Yuhi Ozaki】
Photo:Teppei Hoshida
Interview:Sayako Ono
【other】
Photos:Takahiro Idenoshita
Interview:Sayako Ono