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モンクレールの
90年代「PARIS」ジャケット
森山真司さん/ディストリクト ユナイテッドアローズ
セールスマスター
「30年経っても着続けられる逸品」
「1990年代に購入したモンクレールの「PARIS」は、30年以上経ってもくたびれることなく現役です。当時のモンクレールでは、日本人向けの0サイズが珍しかったので、勤務していた店舗で仕入れて、自分でも購入しました。大人っぽい質感が気に入っています。光沢があるわけでもなく、マットでもなく絶妙な風合いなので、例えばスーツに合わせても違和感なくマッチする。現行品のスポーティーさや高級感とも違った雰囲気が感じられて、毎シーズンさまざまなシーンで重宝しています」

「最高品質の『青タグ』は、寒さ知らずの証」
「ブランドロゴも主張が強くなく、さりげないのが良いですよね。当時のモンクレールは、いわゆる『青タグ』と呼ばれる最高級のダウンが作られていた時代。このダウンも青タグで、『良いダウンを作ろう』という意気込みが品質の良さとダウンの量の多さに表れています。今でも軽く暖かく、寒がりの僕でも冬を快適にすごせています。以前、旅先で足首まで埋まるほどの豪雪に見舞われたことがあったのですが、このダウンのおかげで乗り越えることができました(笑)」

「わりと肩幅がある作りですが、フードにボリュームがあるおかげで、バランスが良い。ブラウンですが、あまり男くさい雰囲気には寄せずにまとめるのが好みです。今日はモカシンのシューズでアウトドア感を残しつつも、そこに同じく90年代のスラックスをあえて合わせています」

ちなみに、付属の製品説明のガイドブックも現役です。ケア方法はこちらに書いてある通り、自宅の洗濯機で丸洗い。一昨年、一度だけ『ワードローブトリートメント』というオーダーメイドクリーニング店にお願いして水洗いをしましたが、それ以外はセルフケアで保っています」
森山真司さん/ディストリクト ユナイテッドアローズ セールスマスター
「ディストリクト ユナイテッドアローズ」立ち上げより関わり、そのキャリアは30年以上を誇る。豊富な経験と知識を持ち、各世代から厚い信頼を得ている。
Photos:Yuta Kono
Text:Emiko Hishiyama