01:CARTIER |TANK AMÉRICAINE


¥2,442,000/カルティエ カスタマー サービスセンター TEL:0120-1847-00

「忘れた頃に蘇る“じゃない方”のタンク」

2021年の「タンク マスト」から今春の「タンク フランセーズ」まで、リニューアルして人気再燃を繰り返すカルティエの「タンク」。王道は「タンク ルイ・ カルティエ」などのオーソドックスな系統。ひるがえって地味なほうのタンク筆頭が、「タンク アメリカン」じゃないだろうか。


特徴は細長いケースと横から見たときのアーチのようなカーブ。アメリカンというと大雑把なのかと思いきや、他のタンクに比べてぐっとエレガント。ただ綺麗すぎるというか、やや女性的な印象が強かったのは事実。だが今年登場した「タンク アメリカン」は一周回って、今の時代にちょうどよく生まれ変わった。


たとえばシンプルな白T&デニムに合わせるとしたら、普通のスポーツウォッチよりは、華奢でエレガントな「タンク アメリカン」の方が断然今っぽく見えると思う。以前は避けていたはずの流麗さや甘さが、洋服に合わせるときのちょうどいい引っかかりになるはずだ。


山崎貴之

UOMOブランド統括。ワードローブは、アウトドアやミリタリーものから唐突なハイブランドまで混ぜたもん勝ち。恒例「試着フェス®」発案者だが、ショップに行く暇を惜しみ、試着ゼロ状態で衝動的に通販しがち。好きなモノは、深夜の飲酒からの寝落ち。MT車の運転。スノーボードとキーボード。



02:BEAUME & MERCIER|リビエラボーマティック


¥517,000/ボーム&メルシエ TEL:0120-98-8000

「70年代 but 最新な“ラグスポ”が今また気分」

スイス屈指のヘリテージを感じさせるボーム&メルシエというメゾンにもともと信頼を寄せていましたが、新作のリビエラ ボーマティックはデザインが今の気分にドンピシャ!


1970年代のラグスポの雰囲気が漂いつつも高精度、高耐磁性で性能はちゃんと現代的。しかも価格がかなり手ごろなところもパーフェクト。39mm径なので、日本人の手元にもさりげなく馴染んで使いやすい。


そして何より、ハーフスケルトンのダイヤルが綺麗で、ついつい眺めたくなる一本です。ちょっとおじさん風味なデザインと、モダンさの融合がたまらない。


中村まなつ

時計担当。趣味は、猫と酒、コーヒーと煙草と散歩と本。ワードローブは黒と紺が8割、時々原色。シュプリームやコモリなど、昔からメンズの服が好み。ジュエリーと靴は大好物で「綺麗な靴は横顔を眺めて酒が飲める」と信じています。


03:TUDOR|ブラックベイ 31 ダイヤモンドセットダイヤル


¥572,000/日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570

「この小ささ、やみつきになる」

「ブラックベイ コレクション」は1950年代のチューダー ダイバーズウォッチを彷彿とさせるデザインがそもそもツボ。ただ今回問題にしたいのは、デザインではなくむしろサイズだ。


31、36、39、41mmと4種類揃う中で、あえて最小の31mmを選ぶことを全力で推したい。34mmは着けたことがあるけど、この小ささは未経験。でも悪くない、というか、むしろいい。洗練されたシャツや繊細なカシミヤニットに抜群に合う、すごく「モード」な時計だと思う。


池田 誠

本誌編集長。身に着けるモノの中では365日かけているメガネが一番大事だが、気分屋で服装には一貫性がなく、白髪に合えばなんでもいい。大阪府出身。お好み焼きと立ち飲みと電車と野球が好き。



Lead text:Tetsu Takasuka