18 Sep.

「20代の私を支えてくれた
頼もしい相棒」

野尻 美穂 | ファッション ディレクター

「初めて“タンク”を目にしたとき、ビビビッときたんです。ずっと時計が欲しかったこともあり、レディース、メンズ問わず、雑誌をかなり読み込んでいたのですが、誌面で素敵だなと目が止まるのがいつも“タンク”。ラウンド型の時計が多いなか、スクエアになったレクタンギュラーケースがひときわ新鮮だったし、上質なレザーストラップは年月を重ねても飽きがこないうえ、経年変化も味わえる。見れば見るほど完璧で、買うなら絶対に“タンク”といつしか心に決めていました」

「“タンク”は鎧のような存在でした」

「この“タンク”を購入したのは約10年ほど前。当時、勤めていたショップのPRになったタイミングです。『買うなら今だ!』と決めた翌日にはもうお店に向かっていました。かなり高価な買い物だったけれど、なぜか使命感にも似た思いがあり、迷いは一切なし。長年、恋い焦がれていた時計を手にした瞬間は、ものすごい高揚感に包まれましたね。まるで片思いをしていた人とうまくいったときみたいな(笑)。その頃の私はまだ未熟な20代。仕事柄、自分より年上の方と接する機会が多くて『まわりに負けないようにしなくちゃ』という気負いが人一倍強かった。だから“タンク”を着けた途端、少しだけ大人になったような誇らしい気分になりました。当時の私にとっては鎧のような存在だったんだと思います」

「購入してからしばらくはどんな着こなしのときでも、いつも時計が主役。『“タンク”さえあれば、なんとかなる!』と頼ってばかりでした。でも年齢も経験も重ねた今、他のジュエリーとコーディネートをしたり、カジュアルの引き締め役に抜擢したりと、取り入れ方の幅が広がり、新たなアプローチを楽しめるように。『あのとき、頑張って手に入れてよかった』と今、自信をもって言えます」

MIHO NOJIRI

大手セレクトショップのPRを経て、フリーランスのファッションディレクターとして活躍中。現在はセレクトショップやブランドとの商品開発やブランディングについてのアドバイスなどを行っている。

Photos:Yusuke Raika(aosora)
Composition & Text:Kumiko Nozaki