Bunkamura ザ・ミュージアムでファンタスティックな時間を過ごす~ベルギー奇想の系譜~ | Blog | UOMO | WEBUOMO

Bunkamura ザ・ミュージアムでファンタスティックな時間を過ごす~ベルギー奇想の系譜~

UOMO編集部 中野健吾

UOMO編集部 中野健吾

UOMO編集部ブログ

フランダースを旅したことをきっかけに
ベルギーのアーティストに興味を持ち出した今日この頃。
以前の報告ブログでもちらっとお話した展覧会に行ってきました。
*写真は内覧会のものなので、特別に撮影許可をもらっています。

『ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで』
開催中~9月24日(日)@Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_belgium/

宇都宮、兵庫と巡回し、ついに東京にやってきた大規模展覧会。
渋谷駅にもたくさんポスターが貼ってありますので目にした方は多いはず。
ベルギーとその周辺地域では、中世末期からの写実主義の伝統の上に
空想でしかありえない事物を視覚化した絵画が発展しました。
その後、その幻想美術の伝統は産業革命後に象徴主義に引き継がれていき・・・
と、なんだか難しそうですが、要するにめまぐるしい美術表現の変化があり
そのどれもが”奇想”と呼ばれるほど脳内を刺激するものばかりなのです!
500年にわたる美術の旅へいざ!
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ゲートをくぐると展覧会のメインビジュアルにもなっている
ヒエロニムス・ボス工房《トゥヌグダルスの幻視》が目に飛び込んできます。
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これ、ぱっと見はなんだかかわいらいい絵ですが、近づいてよく見ると
ちょっと、というかだいぶ怖い。日本でいう地獄絵図になるそうで、
地獄における「七つの大罪」と対応する懲罰が描かれています。
傲慢、嫉妬、怠惰、激怒・・・ぜひ会場でじっくりと見てみてください。かなり驚愕します。
https://youtu.be/yOD24dmag6k

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こちらはピーテル・ブリューゲル(父)[原画]
ピーテル・ファン・デル・ヘイデン[彫刻]
ヒエロニムス・コック[発行]の版画『怠惰』。

ボスと同じく15・16世紀のフランドル絵画ですが、こうして見ると
目の前にあるものの描写ではなくて、人間の精神を”夢の世界”として描いていることが分かります。
というより”悪夢”かな?

そして、19世紀末から20世紀初頭の象徴派、表現主義のゾーンに入ります。
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中でも僕が一番印象に残ったのは
ジェームズ・アンソールの『オルガンに向かうアンソール』。
悪夢のような世界を見続けて、なんだかホッとしたのです。
オルガンの前に座るアンソールはすごく穏やかな表情をしていますよね。
この不思議な色彩と、なんともいえない人々の表情、ちょっとクレイジーで
ずっと見入ってしまいました。
アンソールの作品は他にも多数展示されていますので、ゾーンⅠとのギャップをお楽しみください!

さて、最後は20世紀のシュルレアリスムから現代までのゾーン。

写真は掲載できませんがおそらく最も知名度が高いであろう
ルネ・マグリットの作品が多数。代表作のひとつ『大家族』もお見逃しなく。
で、気になった3人のアーティストをご紹介。
まず、レオ・コーペルスの『ティンパニー』
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僕が見たときは、動いていませんでしたが
実は逆さに吊るされた骸骨が繰り返しティンパニーに打ちつけられるんです。こんな感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=_RsEScARen0&feature=youtu.be

*作動の詳細はHPをご確認くださいませ!

怖いはずなのに、なぜかクスッと笑ってしまう、独特なユーモア。運が良ければ、見られるはず。

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ミヒャエル・ボレマンスです。
ファッションブランドともコラボしたりと、ファンが多いボレマンス。
虚無な世界観が、逆に注視させる強さを持っています。個人的に大好きな作家のひとりです。

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トマス・ルルイの『無限』。
頭蓋骨と対照的な馬のようなしなやかな肉体。であるはずなのに、見た印象は頭蓋骨のほうがなぜか生き生きして見える。
なんだか不思議な感覚に陥る作品です。

ある一時代に焦点を当てる展覧会は多くありますが、ベルギーという一国の切り口で点ではなく線で見せる展覧会はなかなかありません。
総勢30名の古今のスター作家が勢ぞろいし、絵画、版画、彫刻だけでなく、音、インスタレーションなど様々な表現手段で約120点もの作品を堪能できます。

皮肉とユーモアたっぷりのベルギー美術、夏休みにどっぷり浸ってみてください!

UOMO編集部 中野健吾

UOMO編集部 中野健吾

UOMO編集部の面々が撮影裏話、最速展示会情報、
個人的に気になるモノ、コトなど自由にアップします!
よろしくお願いいたします。

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